しんぷる・が・べすと

「愛に時間を」

猫、病院に行く

うちでは猫を飼っています。

朝夕で餌をあげるのですが、いつもその時間が近付くと餌をくれとニャーニャー騒ぎ出します。

 

昨日の朝も例外ではなく、いつものようにニャーニャーと催促し始めたのですが、途中からオ゛ア゛ーオ゛ア゛ーという低くて野太い声で鳴き出しました。

たまにそういう時があって、そしてそういう声を出す時は大概嘔吐します。

昨日もフゴフゴ言い始めて、「あ、吐く」と思って器を用意しました。

いつも床に吐かれる、なんなら今日はカーペットに吐きそうだ、と思い、手に被弾することも辞さない覚悟で口元に受け止めに行きました。

 

 

カハッ!

 

 

 

その姿、まるでマーライオンの如し。

彼の吐瀉物(としゃぶつ)は綺麗に弧を描き、僕の用意した器を飛び越え、カーペットにあえなく落下したのでした。

 

 

何で!?とその滑稽な状況に思わず笑いが込み上げてきたのですが、途端、彼はバランスを崩して倒れてしまいました。

すぐ起き上がろうとするのだけれど、上手く力が入らないのかまたドサッと倒れ、また起き上がり、また倒れ、遂に諦めて横になってしまいました。

フーフーしていて、ただならぬ様子に僕も思わず「大丈夫か!?」と猫相手に声を掛けましたが、自分の身に何が起こってるのか全く理解できないでか、目を真ん丸にして一番驚いてるのは彼自身のようでした。

 

しかし僕だって負けてない。

僕だって驚いた。

 

出勤時間が近付いていたので社長に「猫が倒れた」「病院に連れて行っても良いものか」と直談判し、無事承諾を得たので病院に連れて行きました。

 

ブーン

 

「機嫌良さそうですね」

 

と先生は言い、ぶっ倒れたとは思えないほど元気に見える、と。

一応血液検査なるものもしてもらったのですが、特に異常らしい異常は見られないとのことで、結局原因はわからず仕舞いでした。

 

原因がわからないと対策のしようがない。

しばらく様子を見るつもりですが、また同じようなことが起きたらどうしたものか。

 

猫が喋ってくれたらいいのだけれど、猫はどうやら喋らない。

喋ったところで解決するかもわからないが、喋らないよりはわかりやすい。

 

何か口にしたか、どこが痛いか、具合が悪いのか、めまいがしたか、君は今幸せか。

 

聞きたいことは山ほどあるが、その山は自分なりの解釈で崩すほかないのが、ペットを飼うということなのでしょうね。

 

どうかお元気で。

 

おしまい