僕等が歯医者で泣かされた話

本当は旅行2日目のことを書こうと思っていたんだけれど、さっき抜歯してきたから抜歯について書こうと思う。

書きたくなったことを書こうと思う。

 

昔、地元の歯医者さんで抜歯をしてもらったことがあった。

あれは忘れてしまった春か夏か、秋か冬か。

確か虫歯だったような、そうではなかったような。

とにかくいつかの日にか何かの拍子で歯を抜くことになったんだな。

それで麻酔をしてもらうことになったんだなあ(みつを)。

 

久しぶりの麻酔で特に何も気にしていなかったんだけれど、その麻酔が地獄のような痛みであった。

地獄とはここにあったのかと思った。

この痛みで歯抜いてもらったほうが早いんじゃないかとすら思った。

 

針をチクッとさせるのではない。

アイスピックのようなものを、全体重を掛けてグググググググと押し付けるようなイメージである。

 

泣くかと思った。

泣きたくなった。

なんなら泣いた。

純粋な痛みで泣くのはきっと、飼い犬の散歩中に犬に突然ヒモを引っ張られて氷の上で滑って転んでコンクリートに頭を打ったとき以来かもしれない(大丈夫、僕は今でも元気である)。

それくらいの衝撃だった(イベントとして)。

 

でもこんなもんなのかなとも思った。

というのも、歯医者の麻酔が久しぶり過ぎて、歯医者の麻酔ってこんなに痛かったんだっけ?という風に素直に思ったのである。

 

でもそんなわけはないとも、すぐに思った。

というのも、麻酔と言えば幼稚園児のときにも体験しているはずだが、いたいけな男児がおよそ耐えうるレベルの痛みではないだろう、という風に思いなおしたのである。

 

これは一体どうなのか。

どういうことなのか。

歯医者さんのレビューを見ると、割と評判が良い。

 

嘘だ。

きっと嘘に違いない。

でも証拠がない。

 

そしたらなんと、僕がそんな地獄の体験をしたことなど露知らず、僕の兄もその歯医者さんに言ったというのである。

そして麻酔をしてもらったと言うのである。

そしたら彼はなんと言ったか。

 

「もう一回やれと言われても耐えられる自信がない」

 

これが答えである。

僕より少しばかり年長さんのお兄ちゃんをもってしても耐えられないレベルなのである。

 

それだけではない。

職場の年上の後輩(ややこしい)さんは齢50を迎えそうであったが、彼もまた餌食となった。

とにかく痛かった、と。

そして彼はそれだけに留まらなかった。

なんと歯が抜けなかったのである。

歯が抜けないまま麻酔が切れたというのである。

それでも無事に帰ってきて元気いっぱい愚痴るのだから、流石は大の大人と言ったところか。

経験値が違う。

 

そんな猛烈な痛みを経験した僕なんかは歯医者恐怖症と言っても過言ではないほど歯医者が苦手になった。

とにかく行きたくない。

もちろん一般的に歯医者が苦手な人は多いと思うが、輪を掛けて苦手かもしれない。

もう一回あの麻酔をされたらどうしよう、というわけである。

 

だから麻酔をするとなると一気に緊張が走る。

あの地獄の思い出が蘇る。

 

イヤだ…痛いのイヤだ…(ブルブル)

 

でも勇気を出して、あれから麻酔を2回経験した。

その2回ともが痛みをほとんど伴わなかった。

なんだこんなものかと安堵すると同時に、あの歯医者はやっぱりヤブ医者に違いないという思いを、回を重ねるごとに強くするのであった。

 

しかしその歯医者は未だ健在である。

一説によると世界七不思議に数えられている。

嘘である。

でも健在しているのは本当である。

誰が利用しているのだろう。

わからないものである。

 

おしまい